♥ 2016.10.02 Sunday
3202.ふるさと
おばあちゃんありがとう。
猫娘には「ふるさと」と呼べる場所がありません。本来なら猫婆の実家が田舎になり「ふるさと」と思っても良いはずなのだけど、猫婆は実の母親と仲が悪くて縁を切っていたので、血の繋がった孫であるあたしの事も祖母は可愛がってはくれませんでした。でも26年前の冬、猫娘に「ふるさと」が出来たんです。それは新潟県と長野県の県境にあるスキー場の近くにある民宿。その民宿のおばあちゃんと仲良くなり、ずっと可愛がってもらい、いつの間にか本当のおじいちゃんおばあちゃんのように思っていたのです。
冬はスキーで何度もお世話になって、夏にもゴルフや花火で里帰りと称して避暑に行ってました。冬は餅米から手作りのお餅を持たせてくれて、夏には山盛りのとうもろこしやトマトを送ってくれました。ほんと故郷からの贈り物みたいでしょ。
大阪で仕事を終えて信州まで車で500km走ると真夜中になっちゃって、でもおじいちゃんは夜中に起きてストーブを付けて部屋を暖めて待っててくれました。おばあちゃんは手作りのお寿司や食べきれないほどのご飯でもてなしてくれ、スキーに行く度に故郷に帰ったような安堵感がありました。おじいちゃんが倒れて民宿は止めちゃったけど、それでも信州に行けば必ず顔を出してました。
その民宿のおばあちゃんが亡くなったと昨日電話があったのです。おじいちゃんは何年も前から入院したままだったので、えっ?おじいちゃんじゃなくておばあちゃん?と一瞬耳を疑いました。肺に水がたまって入院、でも良くなっておじいちゃんの病室に移ると言う話が出た矢先に肺炎で。享年91才、突然のことだったそうです。
猫娘が本当のおばあちゃんと慕っていた方の突然の逝去。ほんとはすぐにでも飛んでいってお別れをしたいんだけど、500kmもあるとそう簡単には動けません。おばあちゃんはこんなお顔だからね、ビビ太ジャネット頼むよ〜。今のあたしには猫婆の介護もあるしね。今日もまた家の側で転けて目の上にたんこぶ作ってたし、ほんま最近目が離せないんだ。
すぐに弔電を打とうと思ったけど電報の文例を見ててもピンと来なくて、おばあちゃんにお供えしてもらおうと長い長いお手紙を書いて送りました。でも手紙書いていたら涙がボロボロ溢れちゃって。そしたらマロンが猫娘の涙をぺろぺろと舐めてくれたんですよ。
実の祖母が亡くなった時には涙なんて出なかったのにな〜。でもマロンったらそりゃもうぺろぺろ舐めまくるんですもん。ざらざらの舌であちこち舐めまくるから胸の上とか二の腕とか皮膚が赤くなるほど。もう大丈夫だってば。
猫娘は子供の頃に猫婆の実母であるおばあちゃん家に預けられてて、お蔵に閉じ込められたり、お風呂にブクブク沈められて溺れかけたり、犬小屋で寝かせられたりしてたから、祖母の愛ってのを知らなかったんだよね。まぁ一番分からないのはそんな実家に小さな娘を平気で預けてた猫婆の方なんだけどね。
昨夜も「信州のおばあちゃんが亡くなった」と猫婆に告げると「私が死ねば良かったと思ってるんでしょ」とか怒鳴って、お仏壇に何度もお線香を供えてお見送りしてたら「線香くさいくさい」って怒ってばっか。もう少し可愛いおばあちゃんになれないものかな〜。認知症のせいなのか性格なのか分からないけど。そういえば入院したままの民宿のおじいちゃんも認知症がひどくなって、おばあちゃんの死は理解できなかったそうです。認知症ってそういう病気なのかな〜。
哀しみの中更新してくださりありがとう。
お決まりのような文面の弔電より猫娘さん自身の言葉で連ねたお婆ちゃんへの長い長いお手紙。お婆ちゃんもこのイラストのようなお顔で喜んでいますよ。
改めて信州のお婆ちゃんに感謝です・・・
縁を切った実母に小さい猫娘さんを預けてた猫婆様のお気持ちがやはり理解不能です。
とらちゃん、このまま元気になると信じてますよ。
昨日のコメ欄は懐かしいお名前の方もいらしてくださって嬉しいですね。